食事を変えた最初の一週間のことを書いた記事で、玄米の話だけ途中で切って、「この話は炊飯器の記事で詳しく書きます」と置いたままにしていました。その記事です。
十一年、主食はほとんど玄米です。ただ、炊き方はずっと同じではありませんでした。特に浸水の時間が、途中で大きく変わっています。最初は三十分でした。いまは二十四時間浸けています。
そのあいだ、炊飯器はずっと一万円しないものを使っています。玄米モードがついていれば、それでいいと思っています。
これは私の家のやり方で、誰かに勧めるつもりで書くものではありません。
最初の五年は、三十分で足りていた
始めたころ、玄米をどこで買うかがまず決まりませんでした。ずいぶん探しました。最終的に取り寄せることにしたのは、精米の度合いを浅くしてある玄米です。玄米の表面だけを削ってある、という説明でした。
この米には、炊き方を書いた紙が付いてきました。そこに、洗うのは軽くすすぐ程度でいい、水に浸けるのは三十分ほどでいい、という趣旨のことが書かれていました。だから私は、そのとおりにしていました。洗って、三十分置いて、玄米モードで炊く。
炊く量は二合でした。二人で食べて、二日ほどでなくなります。炊いて、食べて、なくなったらまた炊く。それだけです。いま振り返ると、この頃の玄米がいちばん手がかかっていません。
その玄米を、五年続けました。なぜ五年でやめたのかは、ここには書きません。そういう区切りだったという事実だけ置いておきます。
普通の玄米に変えたら、三十分では足りなくなった
いま使っているのは、無農薬の普通の玄米です。表面を削ってありません。同じ感覚で三十分置いて炊いてみると、これが硬いのです。
結局いまは、二十四時間浸けています。三十分が二十四時間になりました。四十八倍です。同じ玄米という言葉でも、中身が違えば、かかる時間もこれだけ変わります。
朝、洗って水に浸けて、翌朝まで置きます。何時間と数えているというより、朝に仕込んで次の朝に炊く、という生活の形に落ち着きました。時計より、胚芽のところがほんの少し膨らんでくる状態を目安にしています。そこまでいくと、炊き上がりが違います。
夏で部屋が暑くなりそうなときは、夕方に一度水を替えます。まる一日、常温に置きっぱなしにするので、そこだけは気にしています。逆にいうと、気にしているのはそれくらいです。
水は、洗うときと浸けるときは浄水器の水を使っています。四合ぶんを二十四時間浸けると、けっこうな量になるからです。そのかわり、炊くときに入れる水は蒸留水にしています。口に入れるものは基本的に蒸留水にしているのですが、量が多いところは浄水で済ませる。パスタを大量にゆでるときと同じ線の引き方です。
浸けたい水と、実際に使える量は別だ、という話です。徹底できていないところを、そのまま書いておきます。
炊いたあとに、三日ある
普通の玄米に変えてから始めたのが、炊いたあと三日置くやり方です。うちの台所でいちばん時間を使っているのは、たぶんここです。
手順としてはこうなっています。
- 四合を、小豆と十五穀米を混ぜて、玄米モードで炊く
- 炊き上がったら、水で濡らして軽く絞ったキッチンペーパーをかぶせる
- 保温のまま置く
- 朝に一回、全体を混ぜる。混ぜたらまたキッチンペーパーをかぶせて保温に戻す
- これを三日続けて、三日目から食べはじめる
混ぜるのは一日一回で足ります。私は朝にやっています。キッチンペーパーは、水で濡らしてぎゅっと絞るくらいでちょうどいいです。びしょびしょのままかぶせると、その部分だけ水っぽくなります。
三日たつと、小豆の色が全体に回って、きれいな色になります。食感ももちもちしてきて、炊きたてのときとは別のものになります。私はこの状態が好きで、三日目を待って食べています。
体にどうこうという話は、ここではしません。私が続けている理由は、そのほうがおいしいからです。それ以上のことは言えません。
二合ではなく四合炊くようになったのも、この三日があるからです。三日待つ以上、まとまった量を炊かないと回りません。浸水に二十四時間、炊いてから三日。合わせると、食べはじめるまでに四日かかっている計算になります。そのぶん、炊く回数自体は減りました。
余りそうなときは冷凍して、保温でもどす
四合炊くと、食べきれないことがあります。三日目の時点で、これは余るなとわかったら、その場で冷凍します。三日置いたあとの状態で凍らせるので、解凍すればそのまま食べられます。
もどすときは、電子レンジではなく炊飯器を使っています。
- 炊飯器を保温の状態にする
- 凍ったままの玄米を入れる
- 水で濡らして軽く絞ったキッチンペーパーをかぶせる
- 二、三時間置く
それだけです。二、三時間かかるので、食べる日の朝に入れておくことになります。すぐには食べられませんが、炊きたてに近い感じにもどります。急いでいないときは、この方法のほうが好きです。
結局、濡らしたキッチンペーパーを使うところは、三日置くときと同じです。玄米は乾くとかたくなるので、そこだけ防いでいる、という理解でやっています。
炊飯器は、玄米モードがあればよかった
ここまで書いてきたことに、高い機械はひとつも出てきません。実際、炊飯器は一万円しないものしか使ったことがありません。
一台目は家電量販店で買いました。型番は覚えていません。ただ、圧力のかかる高い機種でないことははっきりしています。そういう棚の前には立ちませんでした。いま使っているのはタイガーの JBS-A055WM です。調べたら9,980円でした。見た目もほとんど変わらないので、同じ系統の後継機なのだと思います。
買い替えたのは、壊れたからではありません。内釜の加工が傷んできたからです。毎日炊いて、三日保温して、また炊いて、を何年も続ければ、そうなります。本体はまだ動いていました。
選ぶときに見たのは、玄米モードがあるかどうかだけです。玄米は、そもそも土鍋でも炊けます。火加減を見ていられるなら、道具は選びません。私が炊飯器を使っているのは、火の前に立っていなくていいからです。だとしたら、玄米モードのついた安い機種で足りる、と思っています。
台所の道具でお金をかけたものもあります。ただ玄米に関しては、機械ではなく時間のほうに寄っていきました。浸水に一日、炊いてから三日。時間のかけ方さえ決まってしまえば、炊飯器がしていることは、決まった手順を勝手に進めてくれることだけです。
いまは、五分づきと交互になった
いま、うちの主食は玄米だけではありません。無農薬の玄米と、五分づきの米を交互に食べています。
交互にするようになったのは、いろいろなものを戻していった時期からです。調味料が戻ってきたのと同じ流れの中で、主食も少し緩みました。玄米をやめたわけではなく、玄米の週と五分づきの週がある、という形です。
十一年のあいだに、三十分の浸水が二十四時間になり、炊いてから三日置くようになり、いまは五分づきと交互になりました。振り返ると、道具はずっと一万円しない炊飯器のままです。変わったのは、こちらの手順のほうでした。
何を、どういう順番で戻していったのかは、こちらの記事に書いています。炊くときの水にしている蒸留水の話は、この記事にまとめました。
